【相続】戸籍謄本の簡単取り方、相続人調査の方法を解説

司法書士
榎本亮冴

今回は、戸籍から相続人を調査する仕組みを解説します。

戸籍の制度は、明治時代から続いていますが、出生や婚姻、亡くなった事実などに関することが登録されています。そのため、相続の手続きを進めるその前提として、必ず必要となります。

ただ、戸籍といっても戸籍謄本、除籍謄本、戸籍抄本、改製原戸籍など、色々とございますので、意外と複雑で、分かりにくい制度となっています。

ですので、今回は、誰でも分かるように戸籍の仕組みと簡単な取得の方法について解説していきます。

戸籍とは何か?

まず、戸籍というのは、日本人が出生してから死亡するまでの身分関係(出生、婚姻、死亡、親族関係など)を登録し、公に証明するための公簿と、されています。また、戸籍は一組の夫婦と姓を同じくする未婚の子を単位につくられています。

生まれた子は親と同じ姓を名乗り、まずは、親の戸籍に入ります。そこから成人し、誰かと結婚することで、それまで居た戸籍から抜け出して、夫婦の戸籍を新しく作ります。

そこでまた子が生まれれば、その夫婦の戸籍に入り、といったイメージです。戸籍には必ず筆頭者がいますので、この筆頭者の姓から始まる戸籍へ、出生や婚姻を原因として入ったり出たりした過程を登録する、というものが戸籍です。

この過程は、明治時代から続いています。そして、戸籍には、どこの戸籍に入ったのかや、どこから今の戸籍に入ったのか、といった先後関係が記録されています。

ですので、出生から亡くなるまでの身分について登録情報が一連となって分かります。例えば、B2家の戸籍を取れば、B家から出てきたことが分かります。

B家の戸籍を取れば、B2が婚姻して、新しく別の戸籍を作ったことが分かります。ですので、現在の戸籍を取得すれば、それを起点として、その人の出生を辿ることができます。

その過程の身分関係もすべて明らかになります。いつ誰の間に生まれたのか、誰と結婚したのか、誰を生んだのかなどの縦や横の繋がりがわかります。

遺産相続の手続きに戸籍は必ず必要となります。それは、誰が相続人であるかを戸籍によって証明する必要があるからです。例えは、不動産の名義変更、貯金の解約、相続税申告、相続放棄などがございます。これらは、相続人しか行えませんので、唯一戸籍によって相続人であることを証明して行います。

本籍・住所・地番の違い

戸籍は身分関係を登録していく制度ですが、これは、本籍地の市区町村で行われます。よく混同しがちなもので本籍や住所、地番がありますが、これらは全く異なるものです。

住所とういうのは、文字通り住んでいる所で住民票に記載されているものです。本籍は、自分の戸籍がある場所を言います。住所とは全く関係がありませんし、郵送物を送るためのものでもありません。本籍地は日本全国の市区町村でどこでもいいとされています。皇居でもディズニーランドも可能です。

また、地番というのは、国が一区画ずつの土地を特定するために振り分けているものです。住所ではありません。同じ土地でも、基本的には地番と住所の2つの表記があることになります。

戸籍の種類

なんとなく戸籍のイメージがついたと思います。ただ、戸籍には種類がありますので、分かりにくくなっています。そこで、これを理解するために、戸籍制度の経緯、除籍、戸籍の繋がりの3つを簡単に解説します。

戸籍の経緯

まず戸籍の経緯です。経緯を知ると、戸籍の種類が理解できます。戸籍の制度は今から約150年前の明治5年から続いています。そこから、現代に至るまでに何度が形を変えて右側の横書き形式の戸籍になっています。

改正に伴って新しく作られる戸籍は、当然、それまでの戸籍の内容を基に編制されます。ですので、改正前の戸籍を改製原戸籍、略して原戸籍と呼びます。この原は、もとの、という意味ですが、げんとよんでもいいですし、現戸籍の現と区別するために、はらと読んで、はら戸籍と読むこともあります。

現在見慣れている戸籍は平成6年の改正より右側の横書きの戸籍となります。この平成6年の改正で横書きとなった戸籍の一番の特徴は登録情報のコンピューター化です。

それまでの左側の縦書きの戸籍は、役所の人が紙にワープロや手書きで記入しています。ですから紙の状態で戸籍簿として保存しています。そのため、改製前の紙で作成された戸籍を請求すると、役所の人が戸籍簿をコピーして、請求者に交付します。このコピーを戸籍謄本といいます。謄本というのはコピーという意味です。

一方で、コンピューター化後の身分関係は、コンピューターで管理されます。以降、戸籍は紙では登録されず、すべてデータとなります。このデータを紙に写したものを戸籍全部事項証明書といいます。

ですから、厳密には、現在の横書きの戸籍を戸籍全部事項証明書、改製前の紙で管理されている方を戸籍謄本といいます。一応、こういった使い分けになっていますが、実務的にすべて戸籍謄本として呼んで通用します。相続手続きで戸籍を収集する際には、通常、右側の戸籍だけではたりず、左側の改製原戸籍も取得していきます。

ちなみに、戸籍に登録されている一部の人だけ、例えば長男のみの戸籍を請求することもできますが、これを戸籍抄本と言います。

除籍

2つ目は除籍です。除籍は、その戸籍での終わりを意味しています。除籍には、2つの使われ方があります。1つは、戸籍に在る者の内、1人を除く場合です。

例えば、妻の由美子さんが亡くなった場合は、戸籍からは除籍され、名前の横に除籍の記載が載ります。婚姻して別の戸籍に移った場合も同様に除籍されます。除籍の2つ目の意味は、戸籍に在る者の全員を除く場合です。

これを除籍謄本といいます。その場合は、左上に除籍と載ります。逆に言えば、戸籍に1人でも残っている場合は、例え筆頭者が亡くなっても除籍謄本とはいいません。

相続手続きの際に、戸籍に除籍されていない人が残っている場合は、除籍謄本でなく通常の戸籍謄本を取得します。

これで、戸籍謄本や戸籍全部事項証明書、除籍謄本、改製原戸籍が分かったと思います。

3つ目は、戸籍の繋がりについてです。例えば、婚姻すると、基本的に親の戸籍から出て、新しく夫婦の戸籍を作ります。この事実は戸籍に記載されますので、戸籍間の繋がりを確認することができます。

この例は、北区HPの見本になりますので、若干見ずらいですが、赤枠の部分に「婚姻届出により東京都北区本町1丁目15番地北田幸太の戸籍より入籍」とあります。つまり、二郎さんが、父北田幸太さんの戸籍からでて、由美子さんと婚姻し、北田の姓を取って、この戸籍を作ったことが分かります。

二郎さんの従前の戸籍を追うには、北田幸太さんを筆頭者とする戸籍を取得します。その戸籍を見れば、父北田幸太さんの従前の戸籍が更にわかりますので、同様に遡っていくことができます。

以上が、戸籍の基本的な仕組みと種類になります。改製原戸籍は漢字が多く読みにくいですが、ポイントが分かれば難しくはありません。

戸籍の簡単な取得方法

ここからは、戸籍の簡単な取得方法です。相続手続きに必要となることが多い戸籍謄本は、主に次の2つです。

・亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本

・相続人全員の現在の戸籍謄本です。

亡くなられた方の最新の戸籍だけでなく、正確な相続人を把握するため、出生までの改製原戸籍を遡って取得します。

戸籍は身分関係が登録される個人情報の塊ですから、取得できる人は限定的です。戸籍の筆頭者、その配偶者、夫婦間の子、筆頭者の両親が取得できます。これらの人の委任によって第三者が取得することも可能です。

また、配偶者や直系親族以外でも、例えば、遺産分割協議や相続手続きのために兄弟姉妹の戸籍謄本を取る場合も可能です。

取得場所は、本籍地の市区町村役場が基本です。また、総合支所でも取得可能ですし、本籍地によっては全国のコンビニで取得できる場合がございます。

戸籍を取得するには、本籍と筆頭者の特定が必要です。本籍が不明な場合は、本籍入りの住民票を取得すれば確認できす。住所も分からない場合は、自分の戸籍を手掛かりに、亡くなられた方との繋がりを辿れります。戸籍には、前の本籍地や筆頭者の記載がありますので、これを元にすべて辿っていくことができます。

戸籍を取る際には、住民票を取得するときのように、交付請求書を書きます。戸籍の種類に戸籍や除籍、改製原戸籍、通数などのチェック項目がございます。これらは記載せずに、請求書の余白や備考欄に、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本を取りたい、と書くようにします。窓口で取る場合は、職員の方に、出生から死亡までの戸籍謄本を取りたいことを伝えます。

そうすると、その役場で取ることができるすべての戸籍を出してくれます。これまで除籍謄本や改製源戸籍などいろいろとでてきましたが、結局、詳細な理解は不要です。一括で調べてもらった方が確実に取得できます。あとは、出てきた戸籍から、従前の戸籍を辿っていくことで問題なく必要な戸籍が取得可能です。

郵送で取得する場合は、何通出てくるかわかりませんので、多めの小為替を入れて戸籍請求書などとともに郵送します。余った分は取得した戸籍謄本と一緒に戻してくれます。

本籍が変わっている場合は、都度、同様の作業を管轄の市区町村へ取り寄せる必要があります。その場合は、その分時間や費用が掛かってしまいます。

以上、今回は、戸籍制度について解説でした。戸籍は明治時代から続いていますので、遡ることによって知らなかった家族の歴史を知るきっかけになるかもしれません。

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監修者プロフィール

榎本亮冴
榎本亮冴司法書士
・大手金融機関主催の相続対策セミナー、相談会
・大手不動産会社主催の相続対策セミナー、相談会
・大手生命保険会社の相続専門員向け勉強会の開催
・自主開催の終活セミナー、相談会多数
これまでの豊富な経験に基づき、遺言作成支援、相続を中心に、個人のお客様向けに幅広い業務に対応させて頂くことができます。どうぞお気軽にご相談下さい。