贈与を非課税で行う6つの方法

今回は、贈与を非課税で行う方法を6つご紹介させて頂きます。贈与は、基本的に税金が多くかかりますので、相続によって財産を引き継いだ方が税金の負担は少ないです。
しかし、早く贈与したい事情があるとか、相続税の節税のために贈与を活用したいケースはあると思います。そこで、非課税で贈与を行う方法を6つ、注意点などのポイントと合わせて分かりやすく解説させていただきます。是非参考にしていただければ幸いです。

贈与の基本について簡単に解説

まず、贈与の基本について簡単に解説します。贈与というのはただで財産を上げることをいいます。そして、ただで財産を受けた人に、贈与税がかかります。どれくらいの贈与税がかかるかは、このような税率表で定められています。

例えば、2000万円贈与する場合は、税率が50%ですので、そこから一定の計算をしますと695万円の贈与税がかかります。

20歳以上の子・孫への贈与は、5,855,000円と、もう少し税金が低くなります。いずれにしても贈与税の負担は大きいことがわかります。

そのため、贈与を行う場合は、贈与税が非課税となる制度を利用することが一般的です。

その方法で、今回はこれら6つを解説します。

110万円の非課税枠を活用する方法

1つ目は、110万円の非課税枠を活用する方法です。贈与は、1年間で贈与を受けた金額が110万円以下なら贈与税がかからないことになっています。例えば、子が祖父母から1年間で55万円ずつ贈与を受けても、非課税です。ただし、祖父母から110万円ずつ贈与を受けた場合は、220万円ですので、11万円の贈与税が発生します。110万円の非課税枠は受取る人の上限です。

ここでの注意点ですが、毎年同じ相手から同じ金額の贈与を受け取り続けていると、一括で贈与税が課せられてしまうことがあります。例えば、毎年1月1日に110万円を10年間に渡って、祖父から贈与を受けていたとしても、税務署からは合計1100万円の贈与を毎年分割して行っているとみなされてしまい、1100万円に対して贈与税の納付を求められる可能性があります。

こうならないようにする工夫としては、毎年贈与する日を変えることや、都度贈与契約書を作成する、基礎控除を少し越える贈与をして、あえて贈与税を支払うなどの方法が考えられます。

例えば、111万円の贈与を行うと、基礎控除を越える1万円分に対して1,000円の贈与税が発生します。贈与税を支払うことで贈与が行われている証明になります。もしご検討されている場合は、具体的な対策を一度は税理士に確認された方がいいと思います。

これが、110万円の非課税枠を使った贈与になります。

相続時精算課税制度

ですが110万円よりももっと高額の贈与をしたいケースもあると思います。その場合の方法として、2つ目が相続時精算課税という制度です。

相続時精算課税制度は親、祖父母から贈与された財産の価額が2500万円まで、贈与税が非課税になる制度です。贈与するものは現金、株式、不動産など、特に制限はありません。そして、2,500万円を越える部分の贈与には、一律で20%の贈与税で、贈与することができます。

先ほどみたとおり、2,000万円の贈与でも600万円ほどの贈与税がかかりますので、金額の大きい贈与をしたい場合には、相続時精算課税という制度の活用が考えられます。

ただし、全く税金がかからないわけではありませんので注意が必要です。相続時精算課税制度使って贈与した分は、相続時に、相続財産と合わせて相続税が課されることになります。

イメージですとこのように課税されます。

Aさんが相続時精算課税制度を使って贈与した2500万円 この部分に贈与税はかかりません。

そして、Aさんが亡くなり相続が発生し遺産が3,500万円あったとします。

この場合は相続税は、この3,500万円とこの2500万円も加えて計算します。

合計して6000万円が相続税の課税の対象です。

このように、生前にした贈与を、相続時に精算するので、相続時精算課税制度といいます。

この制度については、こちらの動画でも解説しています。

もう一つこの制度の注意点を解説します。

それは、通常の贈与の制度に戻れないというポイントです。

通常の贈与は先ほど説明した、1年間に、110万円以上の贈与を行うと、受け取る側に贈与税がかかるというものです。ですが、相続時精算課税制度を活用すると、通常の贈与の税率が適用されなくなりますので、2500万円まで非課税、2,500万円を越える部分の贈与には、一律で20%の贈与税という制度に切り替わりますので、以降、110万円までの非課税枠を利用することができなくなります。

これを知らずに、相続時精算課税制度を使った後も、毎年110万円の贈与を非課税と思って続けてしまうと、相続時に申告漏れをしてしまうことがありますので注意が必要です。

節税の観点からすると、毎年110万円ずつ贈与を行っていく方法が相続税の節税効果として高いとされていますので、利用の際は、一度は税理士に確認された方がいいと思います。

住宅取得資金贈与の特例

3つ目は、住宅取得資金贈与の特例です。

これは、今見てきた2つの制度とは、また別の非課税枠ですので、110万円の非課税枠や相続時精算課税制度の2500万円と併用したりすることができます。

この制度は、自分が住む家の購入資金を、親や祖父母から贈与してもらう場合は、最大で3,000万円までの贈与が非課税になる制度です。この特例の背景には、平均年収が低下傾向にある一方で、住宅価格が年々上昇している点を補うことあります。

一定の要件がありますが、新しく家を建てることを検討している方にとっては、役立つ特例になっています。

夫婦間贈与の特例

4つ目は、夫婦間贈与の特例です。

婚姻期間が20年を越える夫婦間で、住むための家や土地を贈与する場合、2,000万円までが非課税となります。不動産を取得するために2000万円贈与する方法でも可能です。

同じ相手には一生に一度しか利用できず、贈与を受けた家や土地に住み続ける必要がある点に注意が必要です。

教育資金贈与の特例

5つ目は教育資金贈与の特例です。

30歳未満の子や孫に対する教育資金の贈与は、1,500万円までなら非課税とされます。1,500万円の非課税が適応されるのは、学校などに支払われる入学金、授業料、給食費などです。

それ以外の、学習塾や習い事にかかる費用に対する贈与は500万円までが非課税となります。この制度は、現時点で、令和5年3月31日までの期間限定措置になっています。 なお、贈与を受けた人が30歳になった際に、贈与されたお金が残っている場合、つまり使い切らなかった分については、贈与があったとみなされて、贈与税が課せられてしまうので注意が必要です。

結婚子育て資金贈与の特例

6つ目は結婚子育て資金贈与の特例です。

親や祖父母から、18歳から50歳未満の子供や孫の結婚・子育て資金について贈与する場合1,000万円までが非課税となります。このうち、結婚費用に充てられるのは300万円までとなります。

子育てに関する資金として該当するものは、妊娠や出産、不妊治療にかかる費用と子供の医療や保育にかかる費用です。結婚に関する資金として該当するものは、結婚式と結納や結婚に伴う引越しなどにかかる費用です。

この特例も令和5年3月31日までの期間限定措置です。

以上、今回は、非課税で贈与を行う6つの方法の解説でした。

監修者プロフィール

榎本亮冴
榎本亮冴司法書士
・大手金融機関主催の相続対策セミナー、相談会
・大手不動産会社主催の相続対策セミナー、相談会
・大手生命保険会社の相続専門員向け勉強会の開催
・自主開催の終活セミナー、相談会多数
これまでの豊富な経験に基づき、遺言作成支援、相続を中心に、個人のお客様向けに幅広い業務に対応させて頂くことができます。どうぞお気軽にご相談下さい。