相続手続きでも特に重要な相続財産の調査方法

司法書士
榎本亮冴

今回は、相続手続きでも特に重要な、相続財産の調査方法について解説します。

相続というのは、亡くなった人の財産をすべて引き継ぐことをいいますので、預貯金とか、収益性のある不動産などのプラスの財産の他、数千万の借金とか、利用価値のない持っているだけで損するような不動産も相続します。

プラスの財産だけ相続とういうのはできません。

ですので、相続財産の調査をきっちりやらないと、プラスの遺産があるにも関わらず相続放棄をしてしまったとか、逆にマイナス財産が多いのに相続放棄しなかったとか、あとあと非常に多額の損をしてしまうこともあるので、かなり重要な作業です。

特に借金を引き継がない選択ができるのは、相続開始から3カ月以内と、結構すぐ訪れることになっています。

そこで、今回は、各財産の調査方法のポイントを解説していきます。

遺言書を探す

まずは、最初に遺言書を探します。実際、遺言書が遺されているのは全体の10%くらいと言われていますが、遺言書がある場合は、少なくとも遺言の対象となっている財産は確認することができます。

不動産

まず、不動産に関しては、家にある登記済権利証又は登記識別情報、あとは固定資産税納税通知書(納付書)、を確認します。

そこから、不動産の所在を確認して、管轄の市区町村役場などで発行してもらう名寄帳から、亡くなった人がどこに不動産を所有しているかを調査するのが一般的です。

登記権利証というのはこのような書類で、冊子になっていることが多いです。簡単にいうと不動産の所有者にしか発行されない重要書類です。

登記識別情報というのは、このようなペラペラの書類で目隠しをはがすと12桁のパスワードがあります。平成17年から20年頃にかけて、登記権利証の代わりに、こちらのペラペラの書類が発行されるようになっていますが、権利証の形式が切り替わっただけで、どちらも全く同じ内容のものです。

固定資産税納税通知書は、このような書類です。毎年4~5月頃に不動産がある市町村や都税から届く書類で、この中に、その年に支払う固定資産税が記載されています。

これらの書類には、不動産の所在とか最低限の情報が載っていますので、これを基に、市町村役場で、名寄帳を発行してもらいます。

名寄帳は、所有者ごとにその市区町村内で所有している不動産の一覧が載っているので、一括で調べることができます。

これが所有不動産の一般的な調べ方です。

現金、有価証券

次に、現金、有価証券についてです。家にあるものとしては、通帳やキャッシュカード、銀行や証券会社からの郵便物などを探して、預貯金や有価証券を預けている金融機関を調査します。

銀行の場合、全店照会をかけると、その銀行のすべての支店に口座がないかどうかを調べることができます。

ネット上の銀行に関しては、通帳やキャッシュカードが発行されていない場合もあるので、亡くなった人のメールなどを確認することも必要です。

金融機関の目星がついたら、その金融機関で残高証明書などを取得して、どれくらい残高があるか、株式に関しては、取引残高報告書を取得すると、どの株式をもっているのかを確認できます

照会するには、亡くなった人とその相続人の戸籍謄本が基本的に必要なので、事前に取っておくとスムーズです

他、近所の銀行や、友人などに貸しているお金があるかもしれませんので、聞き込みや借用書がないかを確認することも大切です。

これが、基本的な預貯金の有価証券の調べ方です

最後、マイナス財産の調査方法

金融機関からの借入は信用情報機関への照会によって調べることができます。

信用情報機関というのはこの3つがあります。

株式会社日本信用情報機構(JICC)

株式会社シー・アイ・シー(CIC)

一般社団法人全国銀行協会(JBA)の運営する全国銀行個人信用情報センター(KSC)

借入れがある場合は、これらの信用情報機関に記録されてますが、これら3つは、加盟している金融機関が異なるので、正確に調査するなら、3つすべてに開示請求を行うようにしましょう。ネットや郵送でも可能です

一方、個人間の借金だったり、リフォーム工事などの未払金とか、亡くなった人が他人の連帯保証人になっていたといった事情は、信用情報機関に載りませんので、家に契約書類がないか確認しましよう。

以上が主な財産調査の方法です。これらの調査は、相続人や相続人の代理人が行うことができますが、全部一括で調べる方法はなく、実際にやってみると地道な調査が必要です。

調べた結果、マイナス財産が多い場合は、相続の放棄を検討する必要がありますが、相続開始から3カ月以内となっているので、時間的な余裕がない場合は、司法書士や税理士等の専門家に相談しましょう。

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監修者プロフィール

榎本亮冴
榎本亮冴司法書士
・大手金融機関主催の相続対策セミナー、相談会
・大手不動産会社主催の相続対策セミナー、相談会
・大手生命保険会社の相続専門員向け勉強会の開催
・自主開催の終活セミナー、相談会多数
これまでの豊富な経験に基づき、遺言作成支援、相続を中心に、個人のお客様向けに幅広い業務に対応させて頂くことができます。どうぞお気軽にご相談下さい。